President's view

代表取締役 桐岡俊樹

『創業時に想いを馳せる』

今年は異常ともいえる暑さが続く夏となりましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。いつも大変お世話になりありがとうございます。また毎度ビプロスニュースをご愛読下さいまして感謝申し上げます。

さてあなたの会社、あなたのサロンにも必ず誕生日があると思いますが、おかげさまで当社は昭和23年の創業以来、今年で満70歳を迎えることとなります。これはひとえに今までお付き合い下さったサロン様やメーカー・問屋様はじめ数多くの方々のご指導とご支援の賜物と、大変僭越ながら当紙面をお借りしてまずは皆様に心より厚く御礼申し上げます。また創業時からの数多くの先達、そして今現在のビプロスを支えてくれている仲間たちにも心より感謝致します。

70年と一口に申しましても、すさまじい年月。その歴史の中で私が関わった年月はたった20年あまり。歴史の中の三分の一にも足りません。どれだけ多くの方々に支えて頂き今日が迎えられているのかを考えると、改めて皆様に感謝するばかりです。

そのような背景もあり、先日パソコンのデータを整理していた時に、たまたま10年前の60周年を迎えた時に弊社社員へ送ったメッセージを見つけました。以下、転載させて頂きます。

『今期は60年という節目の年です。 今一度原点に戻りましょう。

例えば、あなたが自分でお店をOPENし、 開店の日を迎えました。
しかし、お昼になっても、15時を過ぎても誰一人としてお客様は来店しません。
あなたは不安で不安で仕方ないはず。

しかしようやく、17時になった時、一人のお客様がお店に入ってきました。
その時、あなたはどんな気持ちでお客様を迎え入れるでしょうか?
嬉しくて嬉しくて仕方ないはず。もしかしたら抱きつきたい気分?
きっとお客様に駆け寄って最高の笑顔で「いらしゃいませ!!」とお迎えするのではないでしょうか?

営業しかり、各部門のメンバーしかり、 支えてくれるお客様がいて初めて我々は商売が出来ていることを忘れてはなりません。
あって当たり前は無い。今の環境は最初からあった当たり前ではない。

もし我々社員全員がこの『ありがとう』という感謝の心と『おかげさまで』という謙虚な気持ちを忘れてしまったらどうなるでしょう?
傲慢な意識や態度は間違いなく会社を崩壊させることでしょう。

あなたは無意識に『私には関係ない』といった態度を取ったり、無関心な言葉を発したりしていませんか?
お客様は全て自分のお客様と認識していますか?
やってもみずにすぐに『出来ません』と言っていませんか?
自分で選択した職業のはず。それなのにやらされていると思いながら仕事をしていませんか?

社員行動指針と自らの言動、今一度照らし合わせてみてください。
お互いに関心と思いやりを持って、最高の会社にしていきましょう!
最高の会社を作るのは私だけではできません。私たち社員一人一人、つまりはあなたです。
暑い夏を熱い情熱でふっ飛ばし、乗り切っていきましょう!』(転載終)

これが10年前。ちょうどビプロスニュースをスタートさせた時期と重なりますが、その時に社員へ送ったメッセージです。非常に懐かしく感じると共に、私自身も忘れてはいけない大事なこととして改めて身が引き締まる思いもあり、お恥ずかしながら転載させて頂きました。

70周年を迎えるということは非常に有難く、めでたいことです。しかしながら、変化のスピードが著しく速くなっている中で、いつまでもこの喜びに浸っているわけにはいかないと感じます。
なぜなら過去の遺産も栄光も、それらはあくまで先人たちが作ってくれたものであって、今の姿はそれが形となっているだけにすぎません。またこれらが新たに新しいものを生み出してくれるわけではないからです。

ところで皆様の周りに『うちの会社はやりたいことが出来ない。させてくれない!』と不満を口にする仲間はいませんか?会社とはすなわちオーナーであり、店長であり、先輩や当然自分をも含めたすべての人たちの総和。それにも関わらずすべて出来ないことを周りのせいにする、他責の考え方をするスタッフのことです。
例えばあなたのサロンのミーティングで『顧客満足を高めるためにお客様に対してやりたいこと、やって差し上げたいこと』を議題として、スタッフみんなで話し合ったとします。お客様のことを本気で考えれば考えるほど意見は尽きることなく次から次へと出てくるもの。しかし、スタッフの意見をすべて実現することは容易いことではありません。当然出来ないことは出来ません。投資が必要だったり、大きなコストがかかったり。実際に出来ることはかなり絞り込まざるを得ないケースも多いことと思います。しかし、それに対してスタッフの多くはなぜ出来ないのか、やらせてもらえないのかとオーナーに食ってかかるばかり。その熱意は本当に素晴らしいと思いますが、しかし。。。

サロンをスタートさせた頃はどうだったでしょうか。お金もない、スタッフもいない、お客様もいない『ないない尽くし』の中で、出来ることの方が少なかったことでしょう。そのような中で、その時は出来そうもなかったことを少しでも形にしようと、ひとつひとつ出来るようにするために全員で力を合わせて必死に頑張ったのではないでしょうか?今では普通に出来ていることでも最初から出来たことではなかったはず。
しかしながらある程度安定した今の環境の中に入社する方々にとっては、今のサロンの姿がすべてであって、すべてが当たり前のことと勘違いするのは当然かもしれません。しかし創業期からコツコツと一人一人のスタッフが力を合わせてきたからこそ今の状態があることを決して忘れてはいけません。だからこそ創業時のオーナーの想い、スタッフの想いは、いつまでも忘れることなく新しい世代にも繋いでいかなければならないのだと思います。
みんなそれぞれがやりたいことはたくさん持っていると思います。しかしそれをいつか必ず実現するために今のスタッフがいるのであり、また目の前にあるやるべきことに真剣に取り組むからこそ輝ける未来に繋がるのだと思います。

故に『今やっていることが未来を作る』、このことを意識することが最も重要であり、単に今の時点で無いものを嘆くのではなく、これからの10年先、20年先を見据えて、我々はいったい今何が出来るのか、またいかに今後を作っていくことが出来るのかを真剣に考え、まずは目の前にある業務に精力を集中させることが何よりも大事なのではないでしょうか。
変えてはいけないことはしっかりと踏襲し、変えなくてはいけないことは躊躇せずスピードを持って変化させることを厭わない勇気と行動力を持つことが、まだ見ぬ『未見の我』、すなわち今の時点では予想も出来ないくらいの『スゴイ』自分たちの城の未来の姿を作り出してくれるはずだと思います。

弊社の今年のテーマは『報恩感謝』あらゆることに感謝し、感謝するだけでなく頂いた恩に報いること。
誕生日は自分がお祝いしてもらう日ではなく、自分を生んで育ててくれた親に感謝をする日。同様、弊社にとっての70周年は支えて下さったお客様や仲間たちに感謝をし、さらに頂いたご恩に報いることが出来る会社になるために成長しようと決意を新たにする日。

私共は微力かもしれませんが無力ではない。そういう想いを持って、これからも我々の売り物は『サロン様の売上』という理念を忘れることなく、『美と健康を創造する企業』としてサロン様、そしてメーカー・問屋様にも貢献できるよう歩を進めて参りたいと思います。
改めまして皆様から頂戴しました今までのご愛顧に心より深謝致しますと共に、今後とも更なるご指導ご鞭撻のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
今回も最後までお読み下さいまして有難うございました。

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