『残念な人(後半)』
明けましておめでとうございます。昨年中は大変お世話になり有難うございました。
本年は、昨年以上に皆様に貢献出来るよう社員一同さらに進化して参る所存です。本年も引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、年明けとともにいよいよマイナンバー制度がスタートし、良い意味でも悪い意味でも益々変化のスピードが加速していくことが予想されますが、あなたは新たな時代に向けての準備を進めていらっしゃいますか?
これはどの業界にも言えることですが、最近、いやおそらく昔からそうだったのだと思いますが、我々の業界の中にも自分の身を置く美容業界を常に卑下し、『○○だから業界はダメなんだ。業界は△△しないと崩壊してしまう。』と危機感を煽る方がいらっしゃいます。ごもっともな意見だなと感心しつつ拝聴することもありますが、しかし実際のところは『どうなの?』と疑問を感じることがあります。その方々がおっしゃるようなこと、例えば『企業化しないと淘汰され生き残れない。マーケティングにメチャクチャ詳しくならないとお店はじり貧になってしまう』など、これって本当なの?と。
そもそも美容が好きで、お客様サービスへの想いがあって美容業界に身を埋める覚悟を持って美容師を志した方々。果たして十羽ひとからげで付加価値の高い企業を目指さなければ、美容業界から退場を余儀なくされるものなのでしょうか?
昨日より今日、今日より明日、日々成長を意識し、新たなことに挑戦したり努力を惜しまないことは非常に大事なことです。しかし、最近あまりにも周りからの『かくあるべきだ論』に振り回されて暗い気持ちになり、仕事をしている姿が前ほど楽しそうに見えない人が増えているような気が致します。これでは良くなるものも良くなりません。
新しい年を迎え心機一転、美容師を志した時の原点に帰って『自分は美容師として、美容業の経営者、経営幹部として何をやりたかったのか』を今一度考え直し、特別な根拠が見当たらなくてもいい、自分に『根拠なき自信』を持って楽しくワクワクした気分で仕事に向き合って頂きたいなと感じる昨今です。
さてそれでは今号は、前回に引き続き、残念な人シリーズの後半を書き進めたいと思います。お付き合いのほどよろしくお願い致します。
前回は、残念な社員にならないために、やらない『言い訳』をするのは止めて、やりたくないことに対しても正面から向き合おう、そしてそれはプロとして当たり前のことだという内容を書かせて頂きました。そして今回は。
残念な人、その2
『他人の成功に一喜一憂する人。』
先日あるサロンでの出来事です。
あるスタッフの方からこんな言葉が。『同期の○○さんが、先に店長になってしまって。私の方が売上を上げていたのに…。その発表以降、なんかやる気が出なくなって売上がどんどん下がってきてしまっている』のだとのこと。
人は他人の成功や出世などを喜べる人間でありたいと思いつつも、特に身近な環境の中では得てして自分と比較してしまうもの。同期の仲間が、自分より先に会社の上司や他人から認められたりした場合、心の中ではつい妬みややっかみの心が芽生えてしまうもの。こういった感情は別に自己嫌悪に陥る必要はなく、ごくごく自然なものだと思います。
しかしそれによって、自分のモチベーションが下がってやるべきことが出来なくなってしまうのでは本末転倒、自分の人生にとって非常にもったいないことです。そういう方にお勧めなのはこう考えること。
人生は長い長いマラソンと同じ。先に認められた人は、スタートから5キロ地点で先頭集団にいるだけのこと。まだまだ先は長いのだから自分もこれから更に頑張ろうと。こう考えると自然と他人の成功も寛容に受け入れることが出来るようになるのではないかと思います。
残念な人、その3。
『頑張っていることだけで自己満足する人。』
例えば集客だったり、売上だったり、時にはアプローチ数だったり、課題を与えられて、目標に到達できない場合。しばしば、結果についての反省でなく、自分はこれだけのことを必死にやった、一生懸命やってきたということを雄弁に語る人に出会うことがあります。しかし、『これだけやった』ではなく、それでどうなったのかという結果にこだわること、結果に執着することを忘れている人が実に多い気が致します。
行動に執着すると、ひたすら頑張ることしか考えなくなってしまい、手段が間違っていてもなかなか気付かなくなるものですが、結果にこだわると、『もっとできるコトや、やれるコト』に目が行くようになり、結果に繋げるためには?という思考が生まれ、するとそこから知恵が生まれるようになってくる。そこで初めて行動の質に変化が生じ、更なる成長が生まれるものなのではないでしょうか。
残念な人その4。
『なんでも周りのせいにする人。』
問題の原因を常に周りの環境や人におき、他人事で物事をとらえる。お金がないから、時間がないから、人の数が足りないからなどと、何かにつけ自分以外のところに原因を求める。
無い袖は振れない。これが当たり前。であれば、何かが足りないことを理由にしていても何も問題解決にはならない。足りない中で、自分には何ができるかを考えるクセをつけることが大事。どんな場合でもすべて自分事として考えないと成長は出来ないものなのではないでしょうか。
残念な人その5。
『手を抜くことを覚えてしまう人。』
人は常に簡単な仕事を与えられ、余力を残したまま仕事をし続けそれが当たり前になっていくと、いざ新しい困難な仕事に向き合う場面に立っても、全力が出せなくなってきます。また自信がない事や自分が傷つくかもしれない恐怖や不安から逃げたり、物事を先送りしたりしていると、常にそれが壁となって成長を止めてしまいます。元々持っていたはずの本来の能力の90%で仕事をしていると、翌年には81%(90×90)、またその翌年には72.9%(81×90)、数年後には半分の能力しか持てなくなってしまうもの。
躊躇することなく、常に背伸びして、自分の持つ力のたった1%アップ(101%)でもいい、出来れば120%を出し続けることが成長につながることを理解したいものです。
残念な人その6。
『楽な人としか付き合わない。』
人は居心地の良さから、耳が痛いことを言ってくれる人を遠ざけ、意見の対立の少ない自分と同じレベルの価値観を持っている人と群れることを好む傾向があるもの。意見の合わない人や、厳しいアドバイスをくれる人との時間をあえて作りたいものです。
また人は、忙しさを理由にインプットを面倒くさがり、今の自分の状態で充分だと納得しようとしがちなもの。貪欲に知識を吸収することから逃げず、併せてインプットしたことをアウトプットする機会を増やす努力をしたいものです。
残念な人その7
『なにごとも、しっ放しにする人。』
やるべきことをとりあえずはキチンとやっても、結局は最初だけ。やりっぱなし、指示しっぱなしで、結果がどうなったかよりも、伝えたことで満足してしまう人が少なくありません。
上司から『あの件まだ解決できていないようだけど、どうなった?』と聞かれて、『スタッフにはちゃんと伝えました』と答えている方は要注意。伝えることでなく伝わることが目的のはず。
また人は経験から学ぶといいますが、経験するだけでは実は何も学んでいないのと一緒。経験した後、それを振り返って整理、反省してこそ、初めて身になる経験となるものです。勉強も然り。勉強しっぱなしにせず、繰り返しながら一つ一つ確実に自分の身につけていくことが大事なのではないでしょうか。
以上、今回は色々な場面で、私が『残念だな~』と感じる内容を思いつくままにリストアップさせて頂きましたが、皆様も日々そう感じることが他にも色々とあることと存じます。
しかしこれらは、ちょっと見方を変えたら、あるいはちょっと行動を変えるだけで、その後の自分の周りに起きる現実は、ガラッと好転するだろうなと思うものばかりです。
人は他人と過去は変えられないが、自分と未来は自分の意識でどうにでも変えられるものです。今のままの自分では物足りない、あるいは少しでも嫌だなと感じたら、そのまま先延ばしすることは非常にもったいないことだと思います。
新年という節目の時、今すぐ変化のアクションを起こしてみたらいかがでしょうか?
新年が、皆様にとってまたさらに素晴らしい一年になることを心よりご祈念申し上げます。