President's view

代表取締役 桐岡俊樹

『せっかく決意しても、目標が達成できない理由って?』

日頃は大変お世話になり有難うございます。 また、毎度ビプロスニュースをご愛読下さいまして重ねて御礼申し上げます。
『アベノミクス効果により景気上昇!経済指標が好転!』などと、一部の政治家や経済評論家等により連日喧伝されていた状況も、ここにきて急速にしぼんできてしまった感はありますが、皆様は彼らが言う『好景気』を実感されていらっしゃいますか?例えイメージだけでも『気』が高まることは、多少なりとも消費動向にはプラスに作用するので悪いことではありませんが、これが実はただのまやかし『好景気』で、最終的には施政者や官僚等だけに都合のいい結果を導くためのものだったなどという事態にならないことを切に願うばかりです。

さて、今年も早くも半分以上が経過しましたが、年初にご自分が立てた目標、あなたは思い通りに進められていますでしょうか?進捗状況はいかがですか?

先日、あるメーカー様主催のディーラー新人営業マン向けの新人教育の閉校式に参加させて頂きました。どこのディーラーの新人の方も、優秀な方ばかり。そこでは研修を受けた新人達が、最後に一人一人抱負を述べました。ディーラーセールスとしての熱い想いや夢、あるいは一年後の自分をイメージし決意表明をします。本当に皆さん素晴らしかった!ちょうど学生から社会人へと新しいステージに移行し、新たな自己変革が求められる時期。彼らは多くの気付きを得、これからの人生をひたすら前向きに取り組んで行こうという、その一人一人のテンションの高さには感動させられました。

しかし同時に、彼らがスマートな、そして前向きな言葉を発すれば発するほど、なぜか違和感が…。本当に達成出来るのかなあ?という猜疑心が私の中に芽生えてきました。

せっかく立てても、掲げただけで未達成のまま終わってしまいがちなこのやっかいな目標というもの。

今回は『決意してもその目標が達成できないのはなぜ?』をテーマにお話しをさせて頂きます。

研修を受けた新人の方々の多くが発した『前向きに頑張る』『サロン様に必要とされる営業になる』などの目標。それって具体的に、何をいつなんのために、どうやってやるのだろう?新人達が、目標が達成できないで終わってしまう理由。そのひとつ目は、『目標があいまいな言葉のままになっていること』ではないでしょうか。

多くが、自分なりの耳触りのいいスローガンに終始し、目標を具体的な行動目標、行動指標に置き換えることが出来ていない。これをせずしてどんなに立派な決意を述べたとしても、目標を達成するためにいざ行動を起こそうとしても、実際に何をしていいのかが分かりません。だから当然成果にはつながりにくい。

このような状況、あなたの周りにも少なからずありませんか?

頑張っているのは間違いない。しかし、スローガンばかりを言っていて中々成果に結び付けられない未来の宝たる後輩。そんな方を見つけたら、幹部や先輩の皆様には是非、彼らに『それって具体的に何をすること?』という言葉を投げかけて、行動を具体的にイメージさせる訓練をさせて頂きたいと思います。

そして目標達成を阻む、ふたつ目の理由。

それは、単純ですが実は大きな問題。『目標自体を忘れてしまうから』です。人間は余程意識していない限り、多くの事を日々忘れていきます。それが年始に立てた、皆の前で堂々とした決意表明だったとしても。決意して例え2、3日は気合いが入っていても、人は時間の経過と共に徐々に記憶が薄れてしまうもの。記憶が薄れるわけですから、当然それに対する想いや気持ちも同時に薄れていってしまいます。だからこそ、まずは決めた目標を『決して忘れないこと』が大事なのです。

そのために、今日やると決めたら、明日も決意する、そして明後日も同様決意する!この毎日、初日と同じ気持ちで『やると決めること』が大事となってくるのです。これを日々反復することで、この行動が習慣化されます。すると自然とそれが忘れない記憶となり、それをやると決めた最初の想いが途切れなくなっていく。まさにこの『決意の習慣化』こそが、目標を達成する上で非常に重要な要素ではないかと思います。

さらに三つ目の理由。

それは、『周りのみんながやらないから』。人は、環境の影響を受けやすいものです。ましてや新人達は、自分の周りにいる先輩たちの動向に左右されやすいもの。『明るく元気な挨拶をしよう』と決意したとしても、あるいは『溜め息、愚痴、悪口を職場から排除しよう』(弊社の行動指針のひとつです)などと掲げても、先輩がそれに反した行動を取っていたら、風土は間違いなくだらけていくでしょう。また数字の目標も然り。
せっかく立てた目標に対して、先輩たちが早々と『もう無理だね!?』などと簡単に諦めてしまう姿を見せていたとしたら…。新人達は目標数字とは、出来たらいいな程度のものとしか思わなくなってしまいますよね。

一方、もし先輩たち全員が意識して正しい行動が出来ていたとしても、新人がそれをしなかった時に、誰もそれを注意しなかったとしたら…。これも同様でしょう。

このように先輩の意識や行動は、新人達に大きな影響を与える重要なものです。だからこそ先輩たちは常に『見られている』意識を強く持って頂きたいと思います。

しかしここで、新人の方々に決して忘れてほしくないこと。それは、たとえ先輩や周りがやらないからといって、自分もやらなくていいという『きまり』などどこにもないということ。新人の方々には、周りがやっていようがいまいが、自分だけは、決めた正しいすべきことをやり続け、自分が周りを変えてやる!位の気概を持ってほしいと思います。周りの誰もがやるべきことをしないのであれば、逆に自分が会社を良くする『出番』が来たと考える、このプラス思考を大事にして頂きたいと思います。せっかく縁あって入った会社、自分が多くの時間を過ごす職場です。変えられるのは、まだ環境にどっぷりと浸かっていない今だけかもしれません。

そして最後の四つ目の理由。それは『自ら発するやらない言い訳』。

『忙しいから出来ません』『バタバタしてるので落ち着いてからやります』『あと1日しかないから出来ません』などなど。面倒くさかったり、本当は自分がやりたくないことに対して、それでも今度こそはそれに挑戦してやろう!と決意してみても、結局ついつい出がちなやらない言い訳。
しかし、忙しいからなどと言い訳しても、忙しくない時など勝手に生まれてくるはずがありませんし、また実際に時間が足りないとか、難しいと思って諦めていたことを、思い切ってやってみたら思いの他簡単に、時間内に出来てしまったなどという経験、あなたにもありませんか?

人は得てして嫌なことから逃げたくなるもの。この事実を受け入れた上で、『忙しいけど朝の5分だけでもやってみよう』『落ち着いてからでなく、思いついたら躊躇せずパッとやってみよう』『15分しかないけど、カルテの整理を10枚だけでもやってみよう』など。そんな風に『とにかく悩んだらやる!』という意識に自分を転換出来たら、生まれる成果も大きく変わってくる気がしませんか?

以上、今回は新たに社会人となった新人の方をイメージして、4つの目標達成を阻む理由について 書かせて頂きました。

ところで…あなたは、自分が年始に決めた今年にかける想いや目標を覚えてらっしゃいますか?そして今年も折り返し地点を過ぎましたが、その目標は年内中に達成できそうですか?

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