President's view

代表取締役 桐岡俊樹

『手詰まり感からの脱却』

こんにちは。日頃は大変お世話になり有難うございます。
本年も早いもので、残すところあとわずかになって参りました。今年はあなたにとってどんな年でしたでしょうか?
『あなたが無為に過ごした今日と言う日は、昨日死んでいった者たちが、あれほど生きたいと願った明日』という言葉を耳にしたことがあります。
年初に今年こそはと誓い、せっかく立てた目標を少しでも達成できるよう、残り少ない日々を、一日一日大事に過ごして参りたいと思います。
先日、部屋の掃除をしていたところ、数年前にベストセラーになった『チーズはどこへ消えた?』という本を見つけ、久々に読んでみました。1時間もかからずに読めるくらいの童話のような読み易い本ですが、自分自身の生き方までをも考えさせられるような、多くの示唆に富んだものです。皆さんの中でもお読みになったことがある方も少なくないと思いますが、まだお読みになったことのない方には是非一度お読みになってみることをお勧め致します。
さて今回は、その本を読んだ中で感じた『手詰まり感からの脱却』というテーマでお話をしたいと思います。
何か問題が起きた時に、いつも解決しようとしてもその解決策に悩み、そのうちに現状から抜け出すことが出来ない八方ふさがりの状態に陥り、しまいにはドツボにはまってしまう人がいます。一方で、どんな困難な問題もなぜか、それもいとも簡単にすっきり解決してしまう人がいます。
また、同じ人なのに時として、不思議な位にすんなり解決できる時と、全く前に進めない時とがあります。
上手く前に進めないと、考えても考えても全ての解決策が無駄に思えたり、どんなやり方も無理だと思ったり。。不思議なものでそんな時は他人からのアドバイスも素直に聞けないもので。。次第に自信を失ってしまって。。このような経験はありませんか?
これはなぜ引き起こされるのでしょうか?
これは、100%、つまり、問題を完璧に解決できる方法はないかと考えるあまり、何から手をつけていいのか分からない状態に陥ってしまう思考プロセスに問題があるのだと思います。
ちょっとした問題であれば、そんなに悩まずとも解決できることも多いでしょうが、こと人生や仕事といった大きなテーマに関わる問題になると一筋縄ではいかない問題も少なくありません。
そもそも、そんな問題を一度で100%解決できる方法などそうあるものではありません。それにもかかわらず、一発でそれを100%解決しようと考え込んでしまう。だからこそ多くは迷い、悩み、そして解決に向けての一歩を踏み出せなくなり、結局は考えて時間が過ぎるだけで、結局これでは最初から何もしないのと変わりません。
一方、何事もうまく進められる人の思考は、もう少し単純な気がします。ほんのちょっと、1%でも改善できることがあれば、とにかく試しにやってみようと考え、実際に行動してみる。おそらく、1%であれば、やれることは意外とたくさんあるものですよね?1%進めば、1%進んだ地点での景色が見えるようになります。そうなると、そのほんのちょっと先の視点から物事を考えることができ、またそれを2%,5%,…90%と少しずつ改善していくことは、0(ゼロ)をいきなり100%にしようとする恐怖と比較すると、ハードルの高さが全く違うはず。5メートルの壁を一気に飛び越すことは難しいですが、1メートル毎に踏み台を設けて、1メートルずつ飛べばいいだけです。それを5回繰り返せば5メートルの壁などは簡単に飛び越せるはずです。
これは、目標を達成しようとする場合も同様。この小さな一歩を踏み出すことが大事なのではないかと思います。
最近、サロンのオーナー様の話をお聞きする中で、『最近入社したスタッフの考えがよく分からない…スタッフが定着しない…育たない…』などといった将来への不安を含めた悩みをこぼす方が少なくありません。
誤解を生みやすい言葉かもしれませんが、人は育てるものでなく、勝手に育つもの。ただし職場にその環境がなければ育たない。組織は人次第といいますが、せっかくの宝であるはずの人材も、良い職場環境の中でしか人財にはなりえません。
遅刻をしても、その場でビックリするくらいの勢いで強く叱らなければ遅刻は治りません。たったゴミ一つでも、落ちているのを目をそらし放っておく職場では、清潔な職場は掛け声だけになってしまいかねません。服装の乱れを指摘し合えない職場は、次第に規律も乱れていくものです。
また『あれやれ!、これやれ!』といった指示だらけの職場は、人ではなくペットを育てるのと同じと言った人がいましたが、これでは依存型のスタッフしか育ちません。
あなたは、どんな職場を作りたいですか?それを一気に100%作り上げるのは非常に難しいですよね?教育には時間も忍耐も必要です。しかし1%進化させることならすぐにでも出来ることがあるのではないでしょうか。1%でも前に進めることが出来れば、目標に向けてやってみようと思えることが一気に増えてくるかもしれません。
目標とする職場作りに向けて一歩でも近付いているかどうか、これを常に意識することから始めてみたらいかがでしょうか?この今始める一歩が、必ず来年に良い形で繋がっていくものと確信します。
今号が本年最後のビプロスニュースとなります。
今年も一年大変お世話になり、有難うございました。最高に盛り上がる年末と、素晴らしい新年をお迎え下さることをご祈念申し上げます。
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