President's view

代表取締役 桐岡俊樹

『木を見て森を見ず』

ある山の中で農夫が、木こりが木を切るのを見ていた。木こりは汗だくになってのこぎりを引いているのだが、刃は進まず木は一向に倒れる気配がない。よく見てみると、木こりののこぎりは刃が欠けてボロボロになっている。数時間後に再び通りかかっても、木こりは同じ事を続けていた。そこで農夫が、『木こりさん、刃を研いだほうがいいんじゃないの?』と言うと、木こりは『そんな暇はないんだ。今は切るのに忙しいんだから』と答えた。

頑張っているのに成果が中々出ない。。。
でも自分は誰よりも必死でやっている。。。
それなのに周りは認めてくれない。。
景気や周りの環境(人)が悪いんだ。。
他にもっと自分に合ったいい環境(お店)ないかなあ。。(悩む)

そんな『やってるつもり病』による負のスパイラルの罠に陥った経験、皆さんにはありませんか?

過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ。これは疑いようのない事実だと思います。継続して努力しているのに中々成果が見えない時、自分の周りに原因を求めるのではなく、今一度自分のしている行動自体を見直してみませんか?冷静に考えれば、そのままの方法を続けていても成果が出るはずがないのに、自分では頑張ってるつもり。。あるいは会社(お店)に貢献しているつもり。。
そんな時は、原点に還って目的と手段を整理してみるといいかもしれません。

この話の木こりの例で言えば、本来の目的は木を切り倒すこと(もちろん根本的な目的は切った木を売ってお金に換金することですが。。。)であり、そのために木こりはのこぎりを一心不乱に引いていたわけです。ところが、いつしかこの木こりはのこぎりを引く行為自体が目的に変化してしまい、本来は手段であるはずの『のこぎりを引くこと』だけに神経を集中してしまって、のこぎりの刃の状態もそこに費やす時間も自分にとって関係ないものになってしまったのです。もしかしたら木こりは、農夫が忠告してくれた時に素直にその話を聞き、目的を達成するための手段を冷静に見直し、その上で刃を研いでから再度木に向かっていれば、木を切り倒すという目的を時間をかけずに達成できたのではないでしょうか。この木こりは『やってるつもり病』の罠に陥ってしまい、本来の目的を見失い、手段の見直しをすることが出来なかった。他人の忠告を聞く余裕が持てなかったことが招いてしまった悲劇なのではないでしょうか。このように手段を目的と混同して、手段がそのまま目的と化してしまっているケースが我々の生活の中でも実は少なくない気がします。身近な所でも、日々様々なキャンペーンを展開しているサロンを数多く見かけます。しかしながらこれによって成果は出ていますか?お客様はそれを喜んで下さってますか?リピート率は上がっていますか?もちろん大きな成果をあげていらっしゃるサロンさんも多いはず。しかし、中にはキャンペーンが目的と化してしまい、キャンペーンを推進させることだけに必死になってしまい、逆に大事なお客様を失ってしまった。。などという話も一方で聞こえてきます。
もし成果に繋がっていなければ、それは『何を目的として(なんのために)』やったのか。またそれを実現させるための手段に間違いあるいは改善点はないか?手段を目的と勘違いしてしまい、それを続けることで本来の目的から遠ざかっていないか?今一度整理してみることをお勧めします。

『木を見て森を見ず』。私自身もこの言葉を忘れないように心がけて参りたいと思っております。

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