人こと

副社長 安孝幸

『愛情』

歌の上手いフリーアナウンサーが俳優である父親に書いた手紙を、出勤途中の中吊り広告で見かけた。挫折しそうな時、困難から逃げることは簡単だけど、一度逃げてしまうと、逃げることが当たり前の人生になってしまう・・・ 今の私があるのは厳しくも深い愛情をもって叱咤激励をしてくれた父親のお陰だと言う内容の手紙だった。世の中を騒がせる不祥事の多くの原因は当人が我慢をする事が出来ない事に由来する。許してあげたい、助けてあげたいと思いながら手を差し伸べないことがある。誤解を受けることを恐れて、相手の為にではなく保身の為に判断を甘くすることがどれだけ相手の為にならないかを学んできた。値引きや値下げはサービスではあるが、サービスは値引きや値下げではない。しわ寄せや犠牲は必ず巡る。美容業界を発展させる為には値引き合戦ではなく、値上げを行い客単価を上げるべきだと思う。そしてそれに見合ったサービスをお客様に提供すべきだと思う。その為に今まで以上に研鑽を積み、練習を重ねる事が必要になってくる。インターネットがどんどん普及され便利な世の中になった分、人間は退化してきた。楽をして幸せを掴もうと考え出した結果、倫理観や道徳心が失われてきた。自分だけ良ければ良いと言う考え方が蔓延している。美を売る我々美容業界にもその考えは存在する。恥ずかしい勝ち方をするならば負けた方が良い、と言う考え方は笑われる。

とあるメーカーの経営者に伺った事がある。その会社の面接では、先ず両親の生年月日を聴くらしい。そして過去にどの様な誕生日プレゼントをしたかも聴くとのこと。答えられなければどんなに高学歴だろうが容姿端麗だろうが質問は打ち切り。値引き合戦だらけの美容業界はこの先どうなるのだろうかと常々心配になるが、こんな素敵で的を得た荒っぽい面接を行なっているメーカーが在る限りまだまだ美容業界も捨てたものじゃない。

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