人こと

副社長 安孝幸

『使命』

この様な経験はございませんでしょうか。買う気があったので販売員から少々長い説明を受けた。前向きには検討したものの今回は見合わせようと思い丁寧に断わったところ、露骨に表情と態度が一変した。いずれは買おうと思っているが、その時はこの人から買うことをやめようと思ってしまった。一般的にそこそこ売れる販売員に多い現象ですし、営業マンにも数多く見受けられます。もちろん他人事ではありません。買うのだったら本気を出すけど、買う気が無い客には時間もかけないし、もちろん本気も出さない人がいます。ここも他人事ではありません。ごくごく一般的な国産車で、高級外国車のショールームに出向いた時にぞんざいな扱いをされたと聞いた事があります。閉店ギリギリに入店した客に対してホールスタッフの対応があまりにも雑な店がありました。これは、売り手側なのか買い手側なのかで感じ方や行動が大きく変わりますが、一つ言える事は、何か大切なものを忘れていること。

今朝の出勤途中、東西線内で読んだ小説にこんな一節がありました。「一度に一千万円の買い物をする客の前でも、化繊(かせん)の仕立上りを買う客の前でも○○の態度は決して変わらない(中略)○○は自分の利益を考える前に、何か使命のようなものに突き動かされながら仕事をする」と。
利益の無い仕事は仕事では無いのかも知れません。しかし、決してそれは売り手側だけのものではないと思います。お客様の利益と売り手側の利益の種類が違います。

先だってお客様からこの様な声を頂戴しました。ここのところ、健康食品だの医療機器だのを提案をしているけど、一部のお客様から誤解を受けない様に注意をした方がいいよ、と。大変有難いご意見でした。お客様にはこの様にお伝えしました。 携帯電話会社が電気を売ったり、フィルムを製造しているメーカーが化粧品を売ったり、郵便局で味噌汁を売る時代です。今までのセオリーが大きく変わってきています。様々な変化を遂げる現代社会の中でご多分に漏れず私共美容業界も大きく変化をするはずです。我々の顧客様には、苦しいからと言って安易な値引きだけのサービスを行って頂きたくないのです。サロンに来られたお客様に再度足を運んでいただく為の真の利益、それは美の提供以外にはないはずです。その根底にある健康への提案がこれからは必ず必要になると思っております。だからこそお客様の健康をお客様だけに任せるのではなく、サロンも自店のお客様の健康に関心を持ち、少しでも長くサロンに来店を頂ける環境の種を蒔く事、これが健康食品や医療機器の販売の目的と私共が信じている事を。 私共は誤解を恐れません。何故ならお客様に掴んで頂きたいものは利益だけではないからです。人口が減少していくこの日本では、美容室の集客もまた求人も厳しい時代がまだまだ続きます。だからこそ今必要な事はお客様から真に有難がられることだと思っております。サロン様もメーカー様も我々ディーラーも。
私共はたかが美容ディーラーです。されど美容ディーラーです。我々を贔屓にしてくださっているサロン様と、商品を提供してくださるメーカー様の為にも私たちは必ず生き残ります。その為に誤解を恐れずに信念を貫いてまいります。信義を守ってまいります。

それは私共なりの使命があるからです。

いつも勝手を申しております。
ご意見等ございましたらどうか何なりと安までご連絡を頂戴したいと存じます。

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