人こと

副社長 安孝幸

『決めたのは誰』

走る人は何故走るのでしょうか?また、走らない人は何故走らないのでしょうか。走る人は、走ることを必要に感じるから走る。走らない人は、疲れるから、面倒だから、意味を感じないから走らない。因みに感じる、感じないは本人の問題ですのでとやかくは言いませんが、私はこの世の中で意味が無いことはなに一つ無いと信じております。インターネットで「フルマラソンの準備」を検索したところ、走行距離の50%の距離を事前に走っておく事が重要と記してありました。昨年の秋に決まった横浜マラソンへの参加から、開催月前月の2月末までに走った距離は最長で15km。絶対に半分の22kmを走らなければ完走は不可能だと思っていたので、3月第1週の日曜日に20km越えのチャレンジを試みました。雨の中のランニングは初めてでした。前の晩に飲み過ぎていた事もあり15kmを超えた時点で貧血状態になってしまいました。あまりにも具合が悪くなってしまったので20km走行を断念しました。翌日の横須賀のお客様との会食を中座させて頂き、翌々日の火曜日は何年かぶりにほぼ一日中床に伏せていました。このままでは完走ができない。焦りだけが増してくるばかりでした。レースの1週間前は調整に入るようアドバイスを頂いていましたが5日前に22kmに挑戦をしました。結局、半年間の準備は11月、12月、1月が各20km。2月は10kmで3月は開催日迄に48kmを走りました。そして当日の朝を迎えました。前日は早めに仕事を上がらせてもらい23:30に就寝。5時に目覚ましをかけて休んだのですが、1:30と3:30に目が覚めてしまいました。結果5時の目覚ましでは起きられずにギリギリになってしまいました。雪の日にテレビでよく出る山手線内で一番急な坂を登り、雑司が谷駅から副都心線に乗り渋谷で特急電車に乗り換えみなとみらいに向かいました。みなとみらいに向かう電車の車内は半分近くの人が見るからにランナーでした。会場に到着。スタートするまであと2時間弱。果たしてどうなることやら。満足はしていませんが、自分なりに出来る準備はしてきたつもりでいました。それは根拠のないものではありません。教わったテーピングもしっかり巻きました。神のサプリメントと信じて止まない1000z も、昨晩寝る前に4錠、今朝4錠を飲みました。東京マラソンを3時間半で走った銀座のSオーナーにも正しい走り方を教わりました。タイムは気にしないが絶対に完走はしたい。欲を言えば5時間は切りたい。スタートから20km迄は弊社の名取がタイムを測りながら隣で走ってくれたのでそれなりに苦しくなく走れました。しかし、高速道路に上がった後のダラダラした長い上り坂と、車で走っている時にはほとんど感じないバンク状態の斜めの道路は決して走り易くはありませんでした。鬼門の30kmを超え35km。足と腰の痛みは限界を超えています。とうとう、止まりたいという気持ちが走り続けようと言う気持ちに勝ってきました。休みたい、止まりたい。心が叫び続けています。一方で、おい安、ビプロスニュースには何て書くつもり?一所懸命頑張りましたが完走は出来ませんでした、とでも書くつもりなのか?その様な事を自問自答しながら何とか走り続けました。大して走ることは出来ませんでしたが、半年間の練習も思い出しながら走りました。私自身、基礎体力の低下や飲酒喫煙などで多少のハンディキャップは存在するかも知れません。しかし、必ず走ると決めたのは他の誰でもなく自分自身であると言うこと。無理やり走らされている訳ではない。走ることを決めたのは誰?完走すると決めたのは誰?こんな事も何度も何度も繰り返し自分に問いかけながら走りました。また、参加されている方々の中には私の父と同世代の方や、伴走者と絆と言う名の短いロープを握った盲目のランナーもいました。自分より体型や年齢、健康状態が有利な人ばかりではありませんでした。でも、皆、黙々と走り続けています。自分自身と戦っています。
結果、何とか走りきることが出来ました。完走の感想は一こと。走れて良かった。止めようと思う自分に対し、止めてはだめだと思う気持ちが勝てて良かった。仕事に於いても言えることですが、やらなければならない事は最後の最後まで諦めないこと。『必ずやる』と決めること。今回走り終えて改めてそう思いました。

いつもにもまして詰まらない文章を最後迄お読み頂き有難うございました(照)

 コラム一覧に戻る

お問い合せ・ご相談などお気軽にどうぞ