人こと

副社長 安孝幸

『美容師になりたい』

僕は面接のときに、どうしてもこの会社に入りたくて「給料は要らないので入社させてください」と言いました。無事に入社が出来、お給料も頂くことが出来ました。だから休みの日には勉強をします。仕事が楽しいから本番で役に立つことを休みの日に探します。
私は些細なことも大切にします。絶対に電車の中なんかでは化粧はしません。化粧は自分自身を綺麗に見せるもので、人を不愉快にするものではありません。お客様を美しくする職業に就く私たちの言動が、周りの人から見て美しくないどころか醜かったら、人を美しくすることなど出来ませんから。

多くのサロンが現在、人材不足に悩んでいます。これを解消させるためには、間接的ではありますが、美容師さん一人ひとりが強くなり、自立をして、美意識を高く持つことが必要なのではないでしょうか。

その為には、嬉しいこと悲しいこと、楽しいこと悔しいこと、上手くいくこと間違うことからそれぞれを学び、技術が伸びないこと、売上が上がらないこと、周りの人との関係が思うようにならないことを真剣に悩む。こんな事が大切なのではないでしょうか。サロンにいらっしゃるお客様は、将来、美容師になる可能性がある子供たちの親でもあり、お客様は、将来、美容師になる可能性のある学生(本人)でもあります。私たち美容業界で働く者一人ひとりの生活と言動が、将来自分の子供を美容師にしたいと思う親の考えの元となり、職業に就いていない学生が、将来私は美容師になるんだ、と言う気持ちを持たせる元になるのではないでしょうか。「あんな大人になっちゃダメよ」親が子供に教えた悪い見本が休みの日の美容師さんだったら、人材不足は解消されないまま進むことでしょう。

ある美容師さんが現金を落としたそうです。それは財布ごとではなく裸の紙幣三万五千円。パンツの後ろポケットに入れておいたはずの紙幣が無くなったことに気づいたのは、夜だった様で、港区の有名な夜の街は人通りも多く、悔しいが諦めるしかなかったとのこと。出てくるはずはないが、次の日の朝、出勤前に交番に立寄って昨晩の事情を説明したそうです。「三万円が○○警察署に届いているらしいけど自分のだって証明できる?」(中略)落したもの全てではありませんでしたが戻ってきたそうです。道路に落ちていた一万円札三枚を届けた方がいらっしゃったという事です。落とした彼は、お金を拾ったらどんな大金でも必ず警察に届けると私に言いました。この様なことを経験された美容師さんのお客様はとても幸せだと思います。幸せの連鎖です。美容師さん一人ひとりが色々な経験の元に成長をして、それをお客様に真心で伝える。社会保険の加入も大切かも知れませんが、一万円を拾ったら自ら最寄りの交番に届ける、こんな美容師さんを増やすことも人材不足を解消する一つになるのではないでしょうか。

先先だって「永遠の0」を観てきました。映画も良かったですが、原作のエピローグには感動しました。日本人に生まれたことに誇りを感じ、命の使いかたを考えさせられました。

お金を届けてくれたのは日本人だと信じたいです。

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