人こと

副社長 安孝幸

『EQ』

私の「人コト」に対して有難いご批判をたびたび頂戴します。
残念だと想うところはありますが、一切目を通してくださらない方よりも、しっかり読んで頂いたうえでの反対意見は前者よりはるかに嬉しいものです。謙虚な姿勢は持っているつもりですので今回も懲りずにお付き合い願います。

今回は「EQ」について一言。
9月の末に弊社代表の桐岡と二人で横浜商工会議所主催のイベントに出かけた。イベントのメーンは講演で講師は大ヒットセラー「国家の品格」の著者である藤原正彦先生だった。正確に言えば先生だから聴きに行った。講演のタイトルは「日本のこれから、日本人のこれから」。冒頭、「日本をダメにしたのは政治家や財界人ではなく我々国民だ」という話から始まった。その後は、我々日本民族が過去どれだけ強く優秀だったかを述べられた。そして、何故このような国になってしまったのか、これから何が必要なのかを話された。世界の中で日本人ほど美的感受性の高い国民はいないと言う。いや、いなかったと言う。美的センスが高いということではない。雪景色や紅葉を観て辛くなったり、苦しくなったり、涙を流したりと言う事のようだ。

「EQ」とは、「IQ」の知能指数に対して情動指数。または心の知能指数とも言う。心の知能とは、自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能とある。そう考えると藤原先生の話を聞く限り、我々の先祖はきっと「EQ」が高かったことを知る。人の痛みを自分の痛みとして感じ、自分の喜びを自分だけのものにしない。人に施すことを喜びとして、直向きに奢ることのない精神。まさに心の知能指数の高い国民が多かったに違いない。世界第二位の経済大国になれた理由もある意味では必然だったと思う。しかし、今は違う。見て見ぬふり。自分の子供を叱る前に先生を批判する。勿論ダメな先生も多いが、それでもちょっと違う様な気がする。運動会はお父さんだらけ。子どもを我慢させるどころか親が我慢をしない。頭だけが良くて、運動能力だけが高ければ国は豊かになるのか。しらけているわけではない。過去は変えることはできないが、未来は変えることが必ず出来るはずだ。私は、志の高い人間がこの国を変えていくと信じている。まだ間に合うと思っている。美容業界の中からも「EQ」の高い人を創り出し日本再生の火種を作りたい。

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