人こと

副社長 安孝幸

『正しいと間違い』

私の祖父はもう他界しております。父方の祖父は刑事。母方の祖父は銀行員でした。生前、父方の祖父は「同じものを買うのなら出来るだけ高く買え。そして出来るだけ近くで買え」と言い、母方の祖父は「同じものを買うのであれば出来るだけ安く買え。その為には何軒にも足を運べ」と小さな僕に語っておりました。

私は、考え方に『正しい』、『間違い』など無いと思っております。社会やビジネスのルールを決めたのは人間ですから、国や民族、時代よってその価値観は異なると思います。
本来であれば『殺人』は悪い事です。しかし、自分の家族が被害者だった場合、加害者を許せない気持ちになるのは当然だと思います。自分の家族が受けた苦しみを加害者にぶつけてやりたくなります。逆に真実が明るみに出なかった場合の冤罪など『何が正しく、何が間違い』なのか判らなくなります。

私の判断基準は、『公』と『私』のどちらで判断すべきか、これを最優先におくことにしております。美容業界でおそわりました。個人として大切にしている事でも会社にとっては利益を損ねる事だったり、自分の価値観の中では『NO』であっても組織の為に必要なことだったりします。この場合に単純な『正しい』『間違い』の個人の判断では一つの目標を達成する事が困難になるのではないでしょうか。本来、『悲哀』を理解しなくて良い子供の時代にはシンプルな判断基準が大切だと思います。逆に『悲哀』を学んだ大人になってからは、子供のころの素直な判断が通用しない場合もあります。自然環境だけではなく社会環境も荒廃してきた今日では、子供が『損益』を考えたり大人が子供でも我慢できる事を我慢できなかったりしています。
両祖父が大切にしていたものが実は共通していたのだとようやく理解することができてまいりました。
町内会の電気屋さんに利益を生んでもらう事も大切ですし、秋葉原まで行って安く購入した結果で貯金を増やすと言う事も大切なことだと思います。

我々一人一人が自分の為の人生を守る義務があります。だからこそ表面に見えない直接自分の利にならないことを大切にしていきたい。そして、人から誤解を受けるようなことでも社会や組織の利益に繋がることがあるのであれば大いに誤解を受けることも私は正しい道だと考えます。 合掌

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