人こと

副社長 安孝幸

『まごころ』

昼休み、Sさんに友人から「近くの喫茶店にいるから来ない?」と呼び出しの電話が入りました。すでに昼食を済ませたSさんは、何も注文する気はありませんでしたが、これまでの経験上、レストランや喫茶店では、注文をしないと店員に嫌な顔をされていたので、今回もそれが心配でした。喫茶店に入り席につくと、案の定「ご注文は?」と聞かれ、Sさんは恐る恐る「私は結構です」と答えました。すると店員は意外にも、「かしこまりました」と笑顔でカウンターへと戻っていきました。とても感じのいいお店だなと嬉しくなったSさんに、さらに店員はコーヒーをサービスで出してくれたのです。Sさんがその喫茶店の常連になったことは言うまでもありません。マニュアルを守るのは大切ですが、それがお客様にとってマイナスであれば時にはマニュアル外の臨機応変さも必要でしょう。

我々の美容業界でも少々前から「感動ビジネス」等と言われ、皆さんもあちらこちらで「感動する話」を聴かれたことと思います。
この喫茶店の店員は、きっと「お客に心から喜んでいただきたい」と本気で行動をしている方だと思います。お店の売り上げを上げていく大きな要因は再来店です。次回の来店こそが、その日(今日)の仕事がお客様に満足していただいたか否かのバロメーターになると思います。お客様の期待に応えることが出来るとお客様は「満足」してくださいます。それ(期待)を超えると「感動」。そしてその上が「感激」、最後に「感謝」が来ると聴きました。(逆に期待を下回ると「不満」その下に「怒り」があるそうです)。サロンワークでは「顧客満足」はもう古いフレーズです。これからは、「顧客感動」を超えお客様に「ありがとう」と言われるサロン経営を目指してください。
また、「マニュアル外の臨機応変さ」とありましたが、まったくその通りだと思います。クオリティの高いサービスが提供できる店には本来「マニュアル」が無いかも知れません。しかしそれはスタッフの基準が高い店に限ります。スタッフの人間力の高い店に限ると思います。まずお客様に喜んでいただく為には、店側が決めた(お客様に喜んでいただく為の)マニュアルを全員で徹底する事から始まるのではないでしょうか。それが徹底できないうちに「臨機応変は」少々危険な感じを受けます。会社(サロン)の規則を平気で破る人に限って、「お客様の為・・・」を連呼するような気が致します。接客をせれている皆様方には、行動や発言に「真心」を添えていただきたいと願います。「真心」は必ず相手に伝わります。誤解をされてもいつか解ってくれる日が来ると思います。

(多分ですがこの店員がビプロスの営業マンだったとしても活躍していることでしょう。きっと美容師でも・・・)

『ある美容師さんから戴いた小冊子がとても気に入りその後毎月読んでおります。(I店長に感謝)社会法人 倫理研究所の「職場の教養」「真心のコーヒー」より一部転載』

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